情報の増加は必ずしも市場の安定化には寄与しないかも。

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmail

メディアは、新聞、ラジオ→テレビ→インターネット

売買の執行は場立→コンピュータ→AI

といった感じで、目覚ましく進歩しているのですが、肝心な使い手である人間がついて行けていない様な気がします。

情報技術、市場参加者の厚み・・・そして行き交う情報の量、70年前とは比較にならないはずなのに、市場は相も変わらずバブルとその崩壊を繰り返し続けるのは何故なのでしょうか?

経済学の教科書的には、市場参加者の厚みとそれに伴って行き交う情報が増えれば増える程、価格の変動は安定するとの事なのですが、調べてみますと結論は必ずしもそうではないようです。むしろ、逆の結果が。

上記のグラフは1955年-2016年末におけるUnfortunately, we could not get stock quote INDEXSP:.INX this time.(配当調整済み、月足)の期待リターンと標準偏差、(期待リターン/標準偏差)の移動平均(60)、各々の回帰直線(トレンド)をプロットしたものです。元データは1950年-2016年末を、Yahoo!Financeより拝借しました。

期待リターンは横ばいで推移

過去70年間において、大なり小なりの変動・・・たまに起こるバブルとその崩壊を伴いつつも、蓋を開けてみれば極々普通の人であっても大儲けという結果に終わっています。ときたま起こる大変動で討ち死にした人たちの事(もちろん逆もあり)を考慮すると、むしろ普通の人達の方が大儲けできたと考える事も出来ます。

もちろん将来もそうなるとは必ずしも言い切れないわけですが、トレンドがこれからも続くと考えるのであれば、今後も良い投資対象であり続けるでしょう。


21世紀の資本

21世紀の資本

posted with amazlet at 17.01.21
トマ・ピケティ
みすず書房
売り上げランキング: 2,623

更に長期に見てみましても、r > g (資本から得られるリターン > 労働から得られるリターン)のようなので、多分自分が生きてる間は大丈夫なんじゃないかと思います。

一方でボラティリティは上昇トレンド

一方でボラティリティ(標準偏差)は上昇トレンドにあるようです。(それに伴いまして、【期待リターン÷標準偏差】は漸減傾向です。)

これは、大半の人にとっては投資をする上で懸念材料となりますね。例え結果的にはリターンが一定に落ち着くだろうと予想しても、それを得るためのリスクが増えれば、何だか割に合わない感が出てくるからです。

ココ最近について言えばヒストリカルボラティリティはほぼボトムの水準にありますので、ひょっとすると近い将来に大きな変動が起こる局面に遭遇するかもしれません。

情報量は増えたけど、質の方は?

既に述べましたが、

市場参加者の厚みとそれに伴って行き交う情報が増えれば増える程、価格の変動は安定する

はずなのに、結論は逆になってしまいました。それでは何故そのような結論が出てしまうのか?その原因としては、情報量が増えるペース以上には、質は向上していないからなのではないかと思います。

未だに某新聞が流したデマで、お隣の国との関係がギクシャクしていたり、災害が起こる度にデマが、常日頃でも、フェイクニュースやキュレーションサイト()のトンデモ記事がSNS上で拡散されている様子を見ているとそのような気がします。

むしろ、人目に引く様なトンデモ情報程、凄まじい勢いで拡散する傾向が特にインターネット・・・SNSの普及してから顕著に見られます。まさに悪貨が良貨を駆逐するが如くに。

情報の出し手も受け手もバイアス塗れ

もう一つの理由として、結局のところ人間というのは、見たいものしか見ないし、見えない生き物だと言う事が挙げられます。こればかりは人間が人間である以上は仕方がないです。情報の出し手も受け手も、例えば生まれや育ち、現在置かれている立場で、発信する情報も、その受け取り方も、ある種のバイアスがかかるのは避けられません。


社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学
ジョナサン・ハイト
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 5,683

そしてバイアスを取り除こうという取り組み(例えばデマ情報に対して正しい情報を・・・であるとか、教育によって情報リテラシーを磨く。)は、絶望的に上手く行ってないのが現状です。

家庭や職場、その他諸々、SNS・・・例えばTwitterでの泥仕合を見ていると他人の考えを変えるというのは困難である。と言うよりは、ほぼ不可能だと言い切っても良いレベルの不毛な試みである事を痛感している方は多いのではないかと思います。

結論 : 買ったら放ったらかして寝てましょう。

例え期待されるリターンが一定だとしても、リスク(≒ボラティリティ)が存在する。そしてそれが増大傾向である。後者については、恐らく避けられない。

情報の出し手も受け手もバイアス塗れで、バイアスのかかった情報が凄まじい勢いで世の中に拡散する。

そういった絶望的な状況において最良のとり得る手段というのは、ボラティリティに目を瞑る事しか無いのでは無いかと思います。

買ったらひたすら放ったらかして寝てましょう。願わくばそういった状況と縁遠い所に身を置けたら良いですね。

という事です。


臆病者のための億万長者入門 (文春新書)
橘 玲
文藝春秋
売り上げランキング: 5,890

市場のボラティリティや、人間関係で神経を擦り減らす程馬鹿な事は無いと個人的には思うのですが・・・。

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmail

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Optionally add an image (JPEG only)