「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入 https://t.co/sTv6OFwu4z
— 日本銀行 (@Bank_of_Japan_j) 2016, 1月 29
サプライズ!
1/18の参院本会議で否定した所からの今回のマイナス金利導入。短期的にはかなりの効果があったようです。
株式、為替共々戻りに拍車を掛けることに成功した模様。
と言うか市場振れ過ぎですね。このボラティリティの高さは心身ともに病みます。
効果の持続性は?
従来の量的・質的緩和に加えて加えられたマイナス金利。日銀の当座預金に-0.1%の付利をするというもの。
金融緩和というのは中央銀行が金融機関から資産を買い取って資金を供給し、その資金が市中に貸し出されることを意図して行われるものなのですが、現状としては【資金が市中に貸し出される】迄(≒資金需要を喚起する)には至ってません。供給された資金がそのまま日銀の当座預金に行き場なくブタ積みになっている状態です。
そのブタ積みになっている資金から保管料としてマイナス金利を付利して追い出そう(追い出された資金は貸し出しに向かうはずだ。)と言うのが今回の措置。
ただ、マイナス金利の対象になる部分って当座預金中の1割程度らしいです。これで果たしてブタ積み状態が解消されるかは甚だ疑問です。そもそも問題なのは資金需要が無いって事なんですね。設備投資をしようにも、外部環境(特に新興国)は良くないし、ローンを組んで家や車を買おうにも、収入が増えない。運用先が無ければ結局の所ブタ積みにしておくしかないわけです。付利が嫌ならば安全資産とされる国債を買って終了。
といった感じで、影響は殆ど無いのではないかと思われます。ユーロ圏でも導入実績はありますし、【このタイミングで、あの日銀が】と言う以上の驚きは無いのではないでしょうか?
落ち目の女優が脱いだけどガッカリおっぱいだった。
とかそんなオチになりそうな気がします。
個人的には量的・質的緩和は弾切れで手詰まりとなった中で出た苦肉の策が今回のマイナス金利だと考えます。
結局は資金需要が無いのが問題
それでは資金需要を喚起するような金利水準って如何ほどなのでしょうか?金融機関からすると貸し出したほうがマシ、企業や個人が設備投資や消費の為にローンを組みたくなるような水準は?
具体的な水準は分かりませんが、少なくとも現状より更に下だと考えます。
・プライムレートがマイナス○○%
・住宅ローン金利がマイナス○○%
もう借りた方が金を貰える水準でいいんじゃないかと。中央銀行の金融政策としてはかなり過激ですが。
当然ながら預金金利もマイナス。ちょっと想像できない世界ですね。
黒田総裁は落ち目の女優
デビューこそは華々しかった黒田日銀総裁ですが、結局の所目的である【2%の物価目標】は空振り続きです。
サプライズを振り撒くも、そろそろ聴衆(マーケット)もシラケ始める頃に来ています。量的・質的緩和が弾切れで手詰まり、そして苦肉の策のマイナス金利。今後はマイナス金利を何処まで掘り進めるか位しか打つ手無しなのではないでしょうか?
借りた方が金を貰える迄は行かないまでもそれに近い世界は遠くないかもしれません。
それくらいに過激な事をしないと【2%の物価目標】なんて達成できないと思われます、達成した結果がどうなるかは想像もしたくないですけど。
もう退くに退けないところまで来てしまった黒田総裁。
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