金融緩和→円安→株高という基調でここ数年推移してきたのですが、そろそろ流れが変わりそうな気配ですね。
トレンド転換の兆候?
度重なる緩和策も効果は限定的どころか逆行する場面も増えてきました。比較的長めに見てみますと2015年半ばに底打ち、徐々に下値を切り上げるような形となっています。これはトレンド転換の兆候かもしれません。
背景は経常収支の好転
2015年は貿易赤字が減少し、経常収支も大幅に好転しました。貿易赤字の縮小の要因としては原油価格の下落が大きかったです。(輸出も伸びたのですが、依然としてリーマン・ショック前の水準には戻していません。)
年 | 金額(10億ドル) |
2011年 | 129.83 |
2012年 | 59.70 |
2013年 | 40.70 |
2014年 | 24.40 |
2015年 | 124.35 |
経常収支の大幅な好転は円高要因ですね。
円高→株安とは限らない
従来のトレンドからの反転で、円高→株安と言う連想の向きがあるようですが、必ずしもそうはならないのでは無いかと予想しています。内需系にとっては最近の円高・原油安は僥倖ですし、製造業にしても現地調達・生産へ移行して為替の変動に対して影響を極力受けないような体制が整えられているからです。個人的にはもっと前者は評価されてもいいのではないかと思います。
上記はドル円とTOPIXの比較チャート。為替による要因もまああるのでしょうが、それだけでは説明できない(カップリングしていない)事が読み取れると思います。どちらかと言うと、為替よりは外部環境に注意した方が良さそうです。
結論 – 円高も悪くない
日本に住み、働いて日本円を稼いでいる人にとっては円高は決してい悪い話ではありません。
(ここ数年の)円安誘導で労働力とか資産をバーゲンセールという局面からの一転攻勢と前向きに考えられてはいかがでしょうか?
円の購買力が高まる。それに加えて原油安。
何れも特に最近は後ろ向きに捉えられる事が多いですが、内需が弱いと言われている日本経済のカンフル剤になるかも知れません。
同時に、海外への投資をするチャンスでもあります。
円建てで見てみますと、思った以上に安くなっている対象がチラホラと。積極的に狙って行きたい所です。
巷は、給料が上がらないとか、銀行に預けても金利が付かないとか名目的にはトホホな話で溢れているようですが、
実質で見ると、案外悪く無いどころかむしろ良い局面に入るんじゃないだろうかと期待しています。
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